2005年11月19日土曜日
産業ときめきフェアin EDOGAWA
タワーホール堀切 

東京都鍍金工業組合城東支部 出展作品

【黄金のバイオリン】

          

20051119日土曜日 タワーホール船堀において開催された産業ときめきフェアin EDOGAWAに東京都鍍金工業組合城東支部が出展した【黄金のバイオリン】。他業種のゴミゴミした展示ブースに比べメインのバイオリンのみで勝負したのが功を奏しひときわ目立っていた。ただ通過されるだけのブースとちがい、立ち止まって写真をとる人も多く大成功を収めたといえる。工程的には、バイオリンを二つに分解し、木製のバイオリンを塩化パラジュームの入った電導性塗料でコーティングし、スコッチブライトで軽く表面を荒らし水洗後に弱めの電気で硫酸銅めっきを1時間半4.04.5V(他の品物と同じに入れたので電流密度不明)、光沢ニッケル1時間5Vの上に金めっき。その後組み立てた、しかしここで問題が発生。湿気をもって膨張した木が乾いて縮んだため電導性塗料の密着力ではめっきの応力に耐えられず皮膜が割れてしまった。補修にはクロムゴールドというスプレーを用いた、写真でも分かるように背景のディスプレイで上手くごまかされている。また木は浮力があり重りもしくは完全に固定された治具でないと浮いてしまう。通電には治具の枝を使わず固定のみに使い、銅線で伸ばしたクリップを用いて接点を5分ごとに移動させ治具跡がのこらないような工夫した。ポイントは電導性塗料でのコーティング、コンプレッサーにつけたエアブラシで皮膜を作るがこれが難しい。東伸化工の中田氏が処理を行ったがかなりの技術を要する。またその皮膜を硫酸銅めっきのなかで溶かさずにめっき皮膜を析出させるのもむずかしい、スコッチブライトで塗膜のなかのパラジュームが表面にでてくるように軽くこするのだがこれが甘いと付き周りが遅れ塗膜自体が硫酸銅液中で剥がれてしまう。また電流密度を低めにと指示があったが、ある程度強い電流をださないとやはり付き周りが遅れる原因になると思われる。硫酸銅・光沢ニッケル・本金めっきは東伸加工の中田氏の指導の下、弊社(八幡鍍金工業梶jにて行った。発案から完成までのプロセスや納期かなり無理があったように思えるが、ふたを開けてみればこれだけの物ができてしまった。遠藤支部長の熱意が現場にも伝わってきた。技術的な情報をあまり持たないトップの方が普通では思いも付かない無理な要求を突きつけることが多いが、現場の技術者では持ち得ないすばらしい感性をもっている。その企画力と営業力を見習いたい。